効能・効果肺動脈性肺高血圧症用法・用量通常、成人には1日1回タダラフィルとして40mgを経口投与する。
欧州心臓病学会(ESC)及び欧州呼吸器学会(ERS)による肺高血圧症治療ガイドライン2022では、PAH患者さんに対して、エンドセリン受容体拮抗薬とホスホジエステラーゼ5阻害薬の併用療法が推奨されています1。
マシテンタン10mgとタダラフィル40mgの配合剤 成人の肺動脈性肺高血圧症に係る製造販売承認を申請. 公開日: 2023/10/23.
今回の承認は、国際共同第III相ピボタル試験(A DUE試験)の結果に基づくものです。本試験では、主要評価項目である投与開始16週後の肺血管抵抗(PVR)の変化比をユバンシ®投与群とマシテンタン、タダラフィルの各単剤群とを比較し、その結果ユバンシ®投与群において改善が示されました2。またユバンシ®の安全性プロファイルは、マシテンタン及びタダラフィルの安全性プロファイルと一貫していました。
J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長である關口修平は次のように述べています。「今回の承認は、肺動脈性肺高血圧症の領域で、患者さんの治療や生活の改善を目指し取り組んできた私たちの実績に基づくものです。肺動脈性肺高血圧症の患者さんは、毎日複数の治療薬を服用することが多く、その服薬負担が課題となっています。この度ユバンシ®が承認されたことで、疾患管理を最適化するとともに、また、服薬アドヒアランスの向上、服薬時の負担軽減にも貢献できると期待しています」
高血圧とEDの関係性とは?ED治療を並行する際の注意点も解説します
肺動脈性肺高血圧症は、肺の細かい動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより、肺動脈の血圧が高くなる指定難病です3。日本では、同疾患の指定難病受給者証を持つ患者さん(2022年度)が4,529人いると報告4されています。
今回の承認により、J&Jは、ESC及びERSによる肺高血圧症治療ガイドライン2022で推奨されている肺血管拡張薬のうち、一酸化窒素経路とエンドセリン経路、プロスタサイクリン経路に属する全ての治療薬を提供することになります1。
はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100 mmHg)のあ
A DUE試験は、肺動脈性肺高血圧症患者さんを対象に、マシテンタンとタダラフィルの配合剤であるユバンシ®の有効性及び安全性をマシテンタン及びタダラフィルの各単剤療法と比較する二重盲検、無作為化、実薬対照、多施設共同、アダプティブ並行群間試験2です。本試験には、世界16ヵ国の76施設から、未治療又は一定用量のエンドセリン受容体拮抗薬もしくはホスホジエステラーゼ5阻害薬を3ヵ月以上投与されているWHO FC II又はIIIの肺動脈性肺高血圧症患者さんが登録されました。主要評価項目は、投与開始後16週に測定した肺血管抵抗(PVR)であり、ベースライン値に対する変化の幾何平均値の比として評価し、マシテンタンとタダラフィル投与群が、マシテンタン、タダラフィルの各単剤群より優れている場合は達成と見なされました。試験期間終了後、患者さんは24ヵ月の非盲検試験に移行されました。
PAHは、肺の細い動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより、肺動脈圧が高くなる病気です。PAHは患者さんの数が極めて少ない希少疾患であり、国から難病に指定されています。日本では、同疾患の指定難病受給者証を持つ患者さん(2022年度)が4,529人いると報告4され、近年増加傾向にあります。新規にPAHと診断された患者さん(2015~2018年度)では、60代までは女性の割合が多く、70代、80代では男女がほぼ同数になっています。肺小動脈の内腔が狭くなる原因は十分に解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的な要因、その他何らかの環境因子が関与していることがわかっています。
高血圧とEDの関係は?降圧剤とED治療薬は併用可能?医師が解説
ユバンシ®は、成人の肺動脈性肺高血圧症の治療薬として、エンドセリン受容体拮抗薬であるマシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬であるタダラフィル40mgを配合した、1日1回経口投与の薬剤です。
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
この記事の概要. タダラフィルは、勃起不全(ED)の治療や、前立腺肥大症に伴う排尿障害、肺動脈性高血圧の治療などに使われる薬です。
通常、成人には1日1回タダラフィルとして40mgを経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)7.1.軽度腎障害又は中等度腎障害のある患者では、1日1回20mgを投与する〔9.2.2、16.6.1(1)参照〕。
7.2.軽度肝障害又は中等度肝障害のある患者では、本剤の投与経験は限られていることから、リスク・ベネフィットを考慮し、本剤を投与する際には1日1回20mgを投与する。
タダラフィルには、肺動脈性肺高血圧治療剤(アドシルカ)、勃起不全治療剤(シアリス)
肺動脈性肺高血圧症患者にアンブリセンタンとタダラフィルを最初から併用することが長期転帰にどのような影響を及ぼすか,データは少ない.
シアリスの有効成分であるタダラフィルは主に肝臓にて代謝されます。その ..
Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は24日、エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィル40mgとの配合剤である「ユバンシ®配合錠」(以下「ユバンシ®」)について、肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH、World Health Organization [WHO、世界保健機関] Group I [PH、肺高血圧症])を効能又は効果として、製造販売承認を取得しました。
本態性高血圧(一次性高血圧)とED · 二次性高血圧とED · 泌尿器の病気とED · 包茎とED ..
イベント主導型二重盲検試験において,肺動脈性肺高血圧症の症状が世界保健機関機能分類 II 度または III 度で,治療歴のない患者を,アンブリセンタン 10 mg+タダラフィル 40 mg による初期併用療法を行う群(併用療法群),アンブリセンタン 10 mg+プラセボの投与を行う群(アンブリセンタン単剤療法群),タダラフィル 40 mg+プラセボの投与を行う群(タダラフィル単剤療法群)に,2:1:1 の割合で無作為に割り付けた.いずれも 1 日 1 回投与した.イベント時間(time-to-event)解析における主要エンドポイントは,臨床的失敗の初回イベントとし,死亡,肺動脈性肺高血圧症の悪化による入院,病勢進行,不十分な長期的臨床反応の 4 項目のいずれかの初回発生と定義した.
高血圧で治療中です。高血圧は、EDの原因となるのでしょうか? 高血圧、高脂血症 ..
500 例を主要解析の対象とした.内訳は併用療法群 253 例,アンブリセンタン単剤療法群 126 例,タダラフィル単剤療法群 121 例であった.主要エンドポイントイベントはそれぞれ 18%,34%,28%で発生し,単剤療法統合群(2 つの単剤療法群を統合)では 31%で発生した.併用療法群の単剤療法統合群に対する主要エンドポイントのハザード比は 0.50(95%信頼区間 [CI] 0.35~0.72,P<0.001)であった .24 週の時点で,併用療法群では,単剤療法統合群と比較して,脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端フラグメント(NT-proBNP)値がベースラインから大きく低下し(平均変化量 -67.2% 対 -50.4%,P<0.001),十分な臨床反応が得られた患者の割合が高く(39% 対 29%,オッズ比 1.56 [95% CI 1.05~2.32],P=0.03),また 6 分間歩行距離が延長した(ベースラインからの平均変化量 48.98 m 対 23.80 m,P<0.001).併用療法群において,いずれかの単剤療法群と比較して発現頻度が高かった有害事象は末梢性浮腫,頭痛,鼻閉,貧血などであった.
シアリスはタダラフィル(Tadalafil)を有効成分とする、長時間型 ..
(警告)
本剤と硝酸剤又は一酸化窒素<NO>供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること〔2.2、10.1参照〕。ただし、肺動脈性肺高血圧症の治療において一酸化窒素吸入療法と本剤の併用が治療上必要と判断される場合は緊急時に十分対応できる医療施設において肺動脈性肺高血圧症の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで慎重に投与すること。
(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2.硝酸剤投与中又は一酸化窒素<NO>供与剤投与中(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)の患者〔1.警告の項、10.1参照〕。2.3.可溶性グアニル酸シクラーゼ<sGC>刺激剤投与中(リオシグアト)の患者〔10.1参照〕。
2.4.重度腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。2.5.重度肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.6.チトクロームP4503A4<CYP3A4>を強く阻害する薬剤投与中(イトラコナゾール、リトナビル含有製剤、アタザナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ダルナビル含有製剤、クラリスロマイシン、テラプレビル、コビシスタット含有製剤、エンシトレルビル)の患者〔10.1参照〕。2.7.CYP3A4を強く誘導する薬剤長期的投与中(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール)の患者〔10.1参照〕。
(重要な基本的注意)8.1.4時間以上の勃起延長又は持続勃起<6時間以上持続する痛みを伴う勃起>が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
8.2.臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。8.3.本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること〔15.1.2参照〕。
8.4.本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること〔15.1.4参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.脳梗塞の既往歴が最近6ヵ月以内・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者:これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。
9.1.2.コントロール不良の不整脈、低血圧[血圧<90/50mmHg]又はコントロール不良の高血圧[安静時血圧>170/100mmHg]のある患者:これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。9.1.3.網膜色素変性症患者:ホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。
9.1.4.陰茎構造上欠陥(陰茎屈曲、陰茎線維化、Peyronie病等)のある患者:本剤の薬理作用により勃起が起こり、その結果陰茎に痛みを引き起こす可能性がある。9.1.5.持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者。
9.1.6.出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者:invitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている(出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない)。9.1.7.肺静脈閉塞性疾患を有する患者:本剤を投与しないことが望ましい(肺血管拡張剤は、肺静脈閉塞性疾患を有する患者の心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがあり、肺静脈閉塞性疾患を有する患者における有効性及び安全性は確立していない)。
9.1.8.重症左室流出路閉塞、体液減少、自律神経障害に伴う低血圧や安静時低血圧等を有する患者:他のPDE5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用を有するため軽度の一過性血圧低下があらわれる場合がある。9.1.9.出血の危険因子を有する患者(ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法、抗血小板療法、結合組織疾患に伴う血小板機能異常、経鼻酸素療法):出血の危険性が高まるおそれがある〔10.2参照〕。
(腎機能障害患者)9.2.1.重度腎障害患者:投与しないこと(本剤の血漿中濃度が上昇し、また透析によるクリアランスの促進は期待されない、また、これらの患者は臨床試験では除外されている)〔2.4、16.6.1(2)参照〕。
9.2.2.軽度腎障害又は中等度腎障害患者:本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある〔7.1、16.6.1(1)参照〕。(肝機能障害患者)
9.3.1.重度肝障害患者:投与しないこと(これらの患者は臨床試験では除外されている)〔2.5参照〕。(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)
一般に生理機能が低下している〔16.6.3参照〕。(相互作用)
本剤は主にCYP3A4により代謝される。10.1.併用禁忌:
1).硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)〔1.警告の項、2.2参照〕[併用により、降圧作用を増強するとの報告がある(NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する)]。2).sGC刺激剤<ベルイシグアト以外>(リオシグアト<アデムパス>)〔2.3参照〕[併用により、血圧低下を起こすおそれがある(併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある)]。
3).CYP3A4を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール<イトリゾール>、リトナビル含有製剤<ノービア、カレトラ、パキロビッド>、アタザナビル<レイアタッツ>、インジナビル<クリキシバン>、ネルフィナビル<ビラセプト>、サキナビル<インビラーゼ>、ダルナビル含有製剤<プリジスタ、プレジコビックス>、クラリスロマイシン<クラリス、クラリシッド>、テラプレビル<テラビック>、コビシスタット含有製剤<スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス>、エンシトレルビル<ゾコーバ>)〔2.6、16.7.1、16.7.2参照〕[強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(400mg/日:経口剤、国内未発売)との併用により、本剤<20mg>のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある(CYP3A4を強く阻害することによりクリアランスが高度に減少し、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあり、また、臨床試験では除外されている)、また、リトナビル(200mg/1日2回投与)との併用により、本剤<20mg>のAUCが124%増加するとの報告がある(CYP3A4を強く阻害することによりクリアランスが高度に減少し、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあり、また、臨床試験では除外されている)]。4).CYP3A4を強く誘導する薬剤(リファンピシン<リファジン>、フェニトイン<アレビアチン、ヒダントール>、カルバマゼピン<テグレトール>、フェノバルビタール<フェノバール>)〔2.7参照〕[リファンピシン(600mg/日)との併用により、本剤<10mg>のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある(CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある)]。
10.2.併用注意:1).CYP3A4を阻害する薬剤<強く阻害する薬剤は禁忌>(ホスアンプレナビル、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルコナゾール、ベラパミル、グレープフルーツジュース等)[本剤のAUC及びCmaxが増加するおそれがある(CYP3A4阻害によるクリアランスの減少)]。
2).CYP3A4を誘導する薬剤<強く誘導する薬剤は禁忌>[本剤のAUC及びCmaxが低下するおそれがある(CYP3A4誘導によるクリアランスの増加)]。3).ボセンタン〔16.7.3参照〕[ボセンタン(125mg/1日2回投与)との10日間併用により、10日目における本剤<40mg>のAUC・Cmaxが初日と比べ各41.5・26.6%低下するとの報告があるが、本剤によるボセンタンのAUC及びCmaxに対する影響はみられなかった(CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下する)]。
4).α遮断剤(ドキサゾシン、テラゾシン等)〔16.7.5(1)参照〕[ドキサゾシン(8mg)と本剤(20mg)の併用により、立位収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81及び5.33mmHg下降するとの報告があり、また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。5).降圧剤(アムロジピン、メトプロロール、エナラプリル、カンデサルタン等)[アンジオテンシン2受容体拮抗剤(単剤又は多剤)と本剤(20mg)の併用により、自由行動下収縮期及び拡張期血圧は最大それぞれ8及び4mmHg下降するとの報告がある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。
6).カルペリチド[併用により降圧作用が増強するおそれがある(本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある)]。7).ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)〔9.1.9参照〕[本剤(10及び20mg/日)との併用において、ワルファリン(25mg)の薬物動態及び抗凝固作用に対する影響は認められなかったが、併用により出血の危険性が高まるおそれがある(ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法を施行している患者では出血の危険性が高まるおそれがある)]。
8).ベルイシグアト[症候性低血圧を起こすおそれがあるので、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること(細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある)]。(過量投与)
13.1.処置過量投与時、特異的な解毒薬はない(なお、腎透析によるクリアランスの促進は期待できない)。
(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)
15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルの市販後の自発報告において、心筋梗塞、心突然死、心室性不整脈、脳出血、一過性脳虚血発作等の重篤な心血管系障害がタダラフィル投与後に発現している(これらの多くが心血管系のリスクファクターを有している患者であった)。多くの事象が、性行為中又は性行為後に認められ、少数例ではあるが、性行為なしにタダラフィル投与後に認められたものもあった。その他は、タダラフィルを投与し性行為後の数時間から数日後に報告されている。これらの症例について、タダラフィル、性行為、本来患者が有していた心血管系障害、これらの要因の組合せ又は他の要因に直接関連するかどうかを確定することはできない。
15.1.2.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において男性勃起不全治療剤として使用されたタダラフィルを含むPDE5阻害剤投与後に、まれに視力低下や視力喪失の原因となりうる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)の発現が報告されており、これらの患者の多くは、NAIONの危険因子を有していた[年齢(50歳以上)、糖尿病、高血圧、冠動脈障害、高脂血症、喫煙等]、外国でNAIONを発現した45歳以上の男性(肺動脈性肺高血圧症に使用された症例は除く)を対象として実施された自己対照研究でPDE5阻害剤の投与から消失半減期(T1/2)の5倍の期間内(タダラフィルの場合約4日以内に相当)はNAION発現リスクが約2倍になることが報告されている〔8.3、11.2参照〕。15.1.3.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、痙攣発作の発現が報告されている。
15.1.4.薬剤との因果関係は明らかではないが、外国において本剤を含むPDE5阻害剤投与後に、まれに、急激な聴力低下又は突発性難聴が報告されている。これらの患者では、耳鳴りやめまいを伴うことがある〔8.4参照〕。15.1.5.アルコール飲用時に本剤を投与した外国の臨床薬理試験(本剤10mg、20mg)において、アルコール血中濃度、本剤の血漿中濃度のいずれも相互に影響を受けなかったが、アルコールを高用量<0.7g/kg>飲用した被験者において、めまいや起立性低血圧が報告された。
15.2.非臨床試験に基づく情報25mg/kg/day以上の用量でタダラフィルをイヌに3~12ヵ月間連日経口投与した毒性試験において、精巣重量低下、精細管上皮変性、精巣上体精子数減少が認められたとの報告がある。ヒトにおける精子形成能に対する影響を検討した外国臨床試験の一部では平均精子濃度減少が認められたが、精子運動率、精子形態及び生殖ホルモン値はいずれの試験においても変化が認められなかった。
(保険給付上の注意)25.1.本製剤の効能又は効果は、「肺動脈性肺高血圧症」であること。
25.2.本製剤が「勃起不全」の治療目的で処方された場合には、保険給付の対象としないこととする。(保管上の注意)
室温保存。
高血圧で血圧の上が170 mmHg以上か、血圧の下が100 mmHg以上の人が ..
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用11.1.1.過敏症(頻度不明):発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等があらわれることがある。
11.2.その他の副作用1).循環器:(5%以上)潮紅、(1~5%未満)ほてり、低血圧、(1%未満)失神、(頻度不明)動悸、胸痛、心不全、*心筋梗塞、*心突然死[*:これらのほとんどの症例が本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象が本剤、性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定することはできない]、頻脈、高血圧、レイノー現象、血腫。
2).感覚器:(1~5%未満)霧視、(1%未満)眼充血、眼痛、結膜出血、視力低下、眼異常感、(頻度不明)回転性めまい、眼乾燥、※非動脈炎性前部虚血性視神経症、網膜静脈閉塞、視野欠損、視覚障害、中心性漿液性脈絡網膜症。3).消化器:(5%以上)悪心、消化不良、(1~5%未満)下痢、胃食道逆流性疾患、嘔吐、上腹部痛、腹部不快感、胃炎、(1%未満)鼓腸、(頻度不明)腹部膨満、腹痛、胃不快感、口内乾燥。
4).肝臓:(1~5%未満)AST増加。5).筋骨格:(5%以上)筋痛、背部痛、(1~5%未満)四肢痛、筋痙縮、関節痛、筋骨格硬直、(1%未満)関節炎、四肢不快感。
6).精神・神経系:(5%以上)頭痛、(1~5%未満)浮動性めまい、睡眠障害、(1%未満)うつ病、下肢静止不能症候群、感覚鈍麻、錯感覚、片頭痛、(頻度不明)*脳卒中[*:これらのほとんどの症例が本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象が本剤、性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定することはできない]。7).泌尿・生殖器:(1~5%未満)月経過多、(頻度不明)持続勃起症、勃起延長。
8).呼吸器:(1~5%未満)鼻閉、鼻出血、呼吸困難、(頻度不明)副鼻腔うっ血。9).皮膚:(1~5%未満)発疹、(1%未満)皮膚そう痒症、(頻度不明)多汗症。
10).血液:(頻度不明)貧血、INR増加。11).その他:(1~5%未満)末梢性浮腫、疲労、挫傷、疼痛、(1%未満)顔面浮腫、貪食細胞性組織球症、(頻度不明)体重増加、食欲不振、腫脹、浮腫。
※)〔15.1.2参照〕。
EDのリスクを高める要素としては、下記のようなものが挙げられます。 勃起に関わる血管・神経の障害を起こすもの
18.1作用機序
肺血管平滑筋における主要なcGMP分解酵素であるPDE5を選択的に阻害することにより、肺組織中のcGMPを有意に増加させ血管弛緩反応を発現する(exvivo)。18.2PDE5阻害作用
タダラフィルは選択的PDE5阻害剤である。ヒト遺伝子組み換えPDE5を約1nMのIC50値で阻害し、PDE6及びPDE11と比較するとそれぞれ700及び14倍、その他のPDEサブタイプと比較すると9000倍以上の選択性を示した(invitro)。18.3肺高血圧症モデルに対する作用
肺高血圧進展抑制作用:モノクロタリン誘発肺高血圧ラットモデルにおいて、タダラフィルは全身血圧に有意な影響を与えることなく、肺動脈圧、右心室圧を有意に抑制した(invivo)。延命作用:タダラフィルはモノクロタリン誘発肺高血圧ラットの生存率を有意に改善した(invivo)。