軟膏 (プロトピック軟膏) の有効性や副作用について説明します。読者の皆
国内で実施されたメサデルムの一般臨床試験では、ステロイド外用剤が適応となる皮膚疾患に対して有効率が85.4%であったことが報告されています。また、再審査終了時におけるメサデルムの副作用発現率は1.1%で、その多くは塗布した部位に局在したものでした。
デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%「MYK」の基本情報
日本皮膚科学会 デルゴシチニブ軟膏(コレクチム® 軟膏0.5%)安全使用マニュアルより作成
メサデルムには、軟膏・クリーム・ローションの3つの剤型があり、疾患の種類や皮疹の状態、部位、季節に応じた使い分けが可能です。
軟膏は皮膚への刺激が少なく、湿潤型・苔癬化型のいずれにも使用できます。
クリームはW/O型(油性型)ですが、べたつきが少なく使用感に優れています。また、皮膚への浸透性に優れ水にも強いのが特徴です。
ローションはのびが良くさらっとした使用感で、有毛部や広範囲への塗布に適しています。
なお、軟膏とローションには、添加物として肌なじみの良いスクワランが配合されています。
メサデルム軟膏0.1%の基本情報(作用・副作用・飲み合わせ ..
椛島氏の話、日本皮膚科学会 デルゴシチニブ軟膏(コレクチム® 軟膏0.5%)安全使用マニュアルより作成
ボアラを使用すると、薬を塗布した部分にニキビが多発することがあります。その発生頻度は、軟膏で約0.1%(1000人中1人)、クリームで約0.06%(約1667人中1人)と報告されています。特に長期連用すると、その発生頻度は高くなる傾向があります。
副作用で増えたニキビは治療が終了すれば少しずつ減ってきますが、ニキビができやすくなったと感じる場合は診察時にご相談ください。
アトピー持ちで、手の塗り薬にデキサメタゾン軟膏を使用しているの
2020年6月に発売されたデルゴシチニブ(コレクチム®軟膏)は、私を中心とした京都大学大学院医学研究科皮膚科学チームと、日本たばこ産業株式会社(JT)とで共同開発しました。JAK阻害薬の外用薬としては世界初になります。
アトピー性皮膚炎の病態には、①炎症、②バリア機能の破壊、③かゆみ、という3つの要素があります。長年アトピー性皮膚炎の治療の中心となっているステロイド外用薬は、炎症にはとても効果的ですが、バリア機能は修復せずむしろ悪くする方向に働きます。かゆみを抑制する効果も期待できません。バリア機能を保持するために保湿外用薬が推奨されていますが、これも根本的にバリア機能を内側から作り上げているというわけではなく、油分の膜を物理的に被せているだけとも言えます。
そこで、私は、バリア機能を修復し炎症も抑える作用について、10年ほど前から検討を始めました。アトピー性皮膚炎の炎症は、IL-4、IL-5、IL-13、IL-22、IL-31などのサイトカインが関係していることが分かっていました。サイトカインは、細胞内でヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)Statシグナルを通して働きます。そのシグナルをブロックするのがJAK阻害薬で、関節リウマチなど他の炎症性疾患でもJAK阻害薬は内服薬として開発されてきました。我々は、「皮膚への濃度を強くかつ全身への副作用を抑える」というステロイド外用薬と同じ概念で、JAKを阻害する外用薬があっても良いのではないかと考え、外用薬としてデルゴシチニブの開発に携わりました。
顔や陰部は皮膚が薄いため、体のほかの部位に比べてステロイドの効果があらわれやすい一方で、副作用の発現リスクも高くなります。メサデルムを使用する際は、指示された期間を超えて長期間連用したり、自己判断で広範囲に塗布したりしないようにしましょう。
ステロイド外用薬ランク一覧|特定非営利活動法人日本アトピー協会
タクロリムス軟膏は、細胞内のカルシニューリンを阻害する薬剤であり、ステロイドとは異なった作用機序で炎症を抑制します。
タクロリムス軟膏の薬効は、薬剤の吸収度に依存するため、塗布部位やバリアの状態によって大きく影響を受けます。特に、顔面・頸部の皮疹に対して高い適応があります。また、副作用の懸念などからステロイド外用薬では治療が困難であったアトピー性皮膚炎の皮疹に対しても高い有効性を期待できます。
一方で、びらん、潰瘍がある箇所には使用できません。また、タクロリムス軟膏には、16歳以上に使用可能な0.1%軟膏と2~15歳の小児用の0.03%軟膏がありますが、2歳未満の小児には安全性が確立していないため使用できません。授乳中の婦人にも使用しません。
メサデルムを長期間連用すると、薬を塗布した部分にニキビのような症状(ステロイドざ瘡)があらわれることがあります。ただ、発現率は非常に低く、再審査終了時におけるステロイドざ瘡の報告は0.1%にとどまっています。
副作用であらわれたステロイドざ瘡は治療が終了すれば少しずつ減ってきますが、症状によっては薬の漸減や変更も考慮しますので、気になる症状がある場合は診察時にご相談ください。
日本アトピー協会は、アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患に対して、安心と安全 ..
ステロイドホルモンではないので、ステロイドホルモンにみられるホルモン性副作用はない。そのため、ステロイド軟膏で副作用が出ている部位にも塗ることができる。
アトピー性皮膚炎のかゆみの原因や対処法、かゆみを和らげる方法などをご ..
ステロイドホルモンはアレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用により、皮膚炎の赤みやかゆみを抑えます。一方で、ステロイドホルモンには抗炎症作用以外に、血糖値をあげたり、胃粘膜を過敏にしたり、骨粗鬆症を引き起こす作用があり、そのために非常に怖い薬という印象があります。ステロイド内服薬は消化管で吸収され全身に波及するため、こういった全身性の副作用を引き起こすことがありますが、外用薬は皮膚から吸収されるため、血液中に入る量は微量で先ほど触れたような全身性の副作用が起きることは、まずありません。
一般に、ステロイド外用薬の副作用は皮膚にあらわれます。はステロイド外用薬とタクロリムス軟膏の効果と副作用をまとめたものですが、ステロイド外用薬の局所性副作用として、以下のようなものがあげられます。
135)FK506 軟膏研究会:アトピー性皮膚炎におけるタクロリ
妊娠中または授乳中の方、お子さま、ご高齢の方への使用に関して
医師の指導のもと、少量を短期間使う場合であれば特に問題はないとされています。しかし、催奇形性・発達障害・副作用などのリスクをゼロにすることはできません。
特に、大量または長期にわたる広範囲への使用や密封法などでは、ステロイド薬を内服した場合と同様な副作用があらわれるおそれがあるため注意が必要です。使用の際は、自己判断で使用量や使用範囲を増やしたり、長期間使用したりすることがないようにしましょう。
ステロイド外用剤には、低刺激性の軟膏タイプと、さらっとした使い心地の ..
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.1.1国内臨床試験全国延べ235施設において実施されたデキサメタゾンプロピオン酸エステルクリーム0.1%・軟膏0.1%の二重盲検比較又は比較臨床試験を含む臨床試験を集計した結果、効果判定可能症例は2488例で、有効率は85.7%(2131/2488例)であった。疾患別有効率は次のとおりであった。
--------------------------表開始--------------------------疾患有効率
湿疹・皮膚炎群92.6%(718/775)痒疹群87.1%(88/101)
虫さされ98.0%(49/50)薬疹・中毒疹98.0%(49/50)
乾癬86.5%(391/452)掌蹠膿疱症84.7%(50/59)
扁平紅色苔癬78.3%(36/46)紅皮症91.1%(51/56)
慢性円板状エリテマトーデス75.6%(31/41)紅斑症94.8%(110/116)
毛孔性紅色粃糠疹76.7%(33/43)特発性色素性紫斑80.8%(122/151)
肥厚性瘢痕・ケロイド65.6%(80/122)肉芽腫症71.4%(50/70)
悪性リンパ腫63.0%(51/81)皮膚アミロイドーシス(アミロイド苔癬、斑状アミロイドージスを含む)87.4%(61/72)
水疱性疾患(天疱瘡群、家族性良性慢性天疱瘡、類天疱瘡を含む)87.2%(130/149)円形脱毛症57.4%(31/54)
--------------------------表終了--------------------------本剤の副作用評価可能症例は2535例であり、副作用発現率は3.7%(94/2535例)であった。主な副作用はステロイド潮紅・毛細血管拡張1.4%(35/2535例)、毛包炎・せつ1.1%(29/2535例)、皮膚萎縮0.6%(16/2535例)、ざ瘡様発疹0.6%(15/2535例)であった。
17.1.2国内多施設共同比較試験湿疹・皮膚炎、痒疹、尋常性乾癬、紅皮症(各試験89例~342例)を対象として、体部に左右対称性に存在する典型的な皮疹について、左右の病巣のそれぞれにデキサメタゾンプロピオン酸エステル0.1%又は対照薬(0.12%ベタメタゾン吉草酸エステル等の既存の同種同効ステロイド外用剤)を1日2~3回、3週間(湿潤型湿疹皮膚炎では1週間)、単純塗布し、全般改善度、副作用及び有用性を比較した5つの国内多施設共同無作為化比較対照試験の結果、いずれの試験においても有用性が認められた。本剤の副作用評価可能症例は856例であり、副作用発現率は1.8%(15/856例)であった。
でも…。顔やデリケートゾーンにステロイド配合薬を使うのはNG?
メサデルム軟膏・クリーム・ローションの薬価は10.7円/gです。軟膏とクリームは5g包装と10g包装があり、ローションは10g包装があります。各剤型・包装の薬剤費は以下のとおりです。
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18.1作用機序
炎症の初発反応においてはアラキドン酸が生成され、さらに炎症関与物質のプロスタグランジンやロイコトリエン等が生成される。このアラキドン酸生成に関わる酵素(ホスホリパーゼA2)を阻害するのが特異性蛋白リポコルチンであり、コルチコステロイドはこのリポコルチンを生成させることにより、抗炎症作用を発現するものと考えられている。18.2抗炎症作用
デキサメタゾンプロピオン酸エステルは毛細血管透過性亢進(ラット)を抑制し、カラゲニン足蹠浮腫(ラット)、カラゲニン肉芽のう(ラット)、ろ紙肉芽腫(ラット)実験炎症モデルに対して消炎作用を示した。また、塩化ピクリル誘発遅延型アレルギー性皮膚炎(マウス)及びクロトン油誘発皮膚炎(ラット、マウス)に対しても耳朶皮膚反応抑制作用を示した。18.3血管収縮作用
健康成人男子を対象とした血管収縮試験の結果、ベタメタゾン吉草酸エステルに比して優れ、また、ベタメタゾンジプロピオン酸エステルに比して同等以上の血管収縮作用が認められた。18.4薬理作用
デキサメタゾンプロピオン酸エステルクリーム0.1%「日医工」は、ラットを用いたヒスタミン血管透過性亢進抑制試験、カラゲニン足蹠浮腫抑制試験、クロトン油耳浮腫抑制試験において、メサデルムクリーム0.1%との効力比較の結果、両剤間に有意差は認められなかった。また、デキサメタゾンプロピオン酸エステル軟膏0.1%「日医工」及びメサデルム軟膏0.1%について同様の試験を行った結果、同様の結果が得られた。
[PDF] 3. 副腎皮質ステロイド剤(外用薬)のランク分類と副作用・使用方法
患者さまにご負担いただくのは、保険割合に応じた金額になります。例えば、3割負担の患者さまがメサデルム軟膏10g/1本を処方された場合、ご負担金額は32.1円です(薬剤費のみの計算です)。
ジェネリック薬を使用する場合は、さらに薬剤費をおさえられます。
ただし,アトピー性皮膚炎のように難治性で長期連用する疾患,密封包帯療法 ..
(禁忌)
2.1.細菌皮膚感染症・真菌皮膚感染症・スピロヘータ皮膚感染症・ウイルス皮膚感染症[免疫を抑制し、感染症が悪化するおそれがある]。2.2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3.鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある]。2.4.潰瘍<ベーチェット病は除く>、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷[組織修復・肉芽形成を抑制し、治癒が遅延するおそれがある]。
(重要な基本的注意)大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること〔8.重要な基本的注意の項参照〕。(小児等)
長期・大量使用又は密封法(ODT)により、発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること〔8.重要な基本的注意の項参照〕。(高齢者)
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては注意すること(一般に高齢者では副作用があらわれやすい)〔8.重要な基本的注意の項参照〕。(適用上の注意)
14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.眼科用として使用しないこと。
14.1.2.患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう注意すること。(保管上の注意)
室温保存。
アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)などは何らかの原因により ..
ステロイド外用薬の効き目は、塗る量に比例するわけではありません。塗る量が多すぎると副作用の発現リスクが高まりますので、塗り過ぎないようにしましょう。
なお、ステロイド外用薬は適量を塗布すれば十分な効果が得られます。軟膏やクリームの場合、指の関節一つ分の量(約0.5g)を両手2枚分の範囲に塗り広げるのが適量です。これを目安に、塗布する量を加減してください。