フィナステリドなどの内服薬は、DHTの生成を抑制する役割を果たします。
ただし、ここで挙げた副作用を発症することは極めて稀であり、臨床試験においても危険性は低いと考えられています。
今回はAGA治療のうち、フィナステリド内服について詳しく解説しました。
薬を服用してすぐに現れる副作用もあれば、長期間服用することで発生するものもあり、体質によっても副作用の現れ方はさまざまです。
以上の項目をクリアすることで、副作用が出るリスクを最小限に抑えられるようにしています。
体調を確認せずに薬の処方のみを行う医療機関で治療を続けたり、海外通販で購入した薬剤で自己治療を続けたりすることは、大きな副作用に繋がる可能性があります。ポストフィナステリドシンドローム(PFS)と呼ばれる状態で苦しまないためにも、安心して治療を続けられる医療機関でフィナステリドを服用していただくことをおすすめします。
フィナステリドを服用しても抜け毛が止まらないのですがなぜですか?
フィナステリドを服用していてもほとんどの場合精子や精液に問題は生じません。ただし、副作用の性機能障害に対して不安の強い方は妊活中の服用を避けたほうがよいでしょう。フィナステリド服用中の妊活に関してご不安な方や、これから妊活を考えていらっしゃる方は、まずは医師にご相談ください。
守りタイプの薬の代表的な3種類が持つ副作用について見ていきましょう。
フィナステリド(プロペシア)で報告されている副作用は、以下のとおりです。
AGA治療においては、効果的な治療法が多く存在しますが、それぞれの治療法には副作用のリスクも伴います。
AGA治療薬は、薬である以上個人差はありますが、一定数の人が副作用のリスクがあるとされています。
デュタステリド(ザガーロ)を服用した際の副作用は、以下のとおりです。
半減期とは血液中の薬の成分濃度が半分になる期間のことです。フィナステリドの半減期は6〜8時間ほどと言われています。対してザガーロカプセルの半減期は2週間ほどとなり、より長期間血中に薬の成分がとどまるため、強い効果が現れると考えられています。ただし、どちらの薬が優れているというわけではなく、適した薬は患者様の体質や症状などによって異なります。
フィナステリドで治療を行う際には、発毛効果と同時に副作用を抑える投薬治療を行います。
【薄毛/AGA治療】フィナステリドの真実を解説します。 | 美容コラム
プロペシアはフィナステリドを主成分とする内服薬で、DHTの生成を抑制してAGAの進行を遅らせます。20代での早期治療においては、プロペシアの使用が非常に効果的であると多くの症例で報告されています。しています。
フィナステリドはAGAに効果的?【写真あり】治療例と副作用を解説
フィナステリドの1mgと0.2mgは成分の濃度を表しています。高濃度の1mgのほうが効果的と考えられていますが、患者様によって適した濃度は異なります。当院では0.1mg単位で成分濃度を調整し、患者様にあったフィナステリドを処方しているため、より高い治療効果を期待できます。
【AGA治療薬】プロペシア(フィナステリド)とは?効果や副作用
フィナステリドには耐性がないため、長期間服用しても効果が軽減されることはありません。
フィナステリドの効果と服用のポイント|AGA治療薬の特徴を解説
フィナステリドによるAGA治療は、基本的には効果も安全性も高い治療です。しかし、実際にポストフィナステリドシンドローム(PFS)が報告されていることや、精神的要因が原因の一つである可能性が大きいことから、Dクリニックではリスクを最小限にするためのカウンセリングや治療を行っています。
ザガーロ(デュタステリド)とプロペシア(フィナステリド)の違いは?
治療を始める前に、フィナステリドの使用で僅かでも副作用の可能性があることをお伝えし、「薄毛が解消する、髪が増える」というメリットと、「副作用やポストフィナステリドシンドローム(PFS)が起こるかもしれない」というデメリットをよく比較していただくようにしています。
また、次のような方は特に「精神的要因」が強くなりやすいため、服用はおすすめしていません。
フィナステリドの効果や注意点とは?女性が禁忌の理由まで徹底解説
症例は報告されているものの、ポストフィナステリドシンドローム(PFS)の原因そのものはまだ明らかになっておらず、有効な治療方法も見つかっていません。ただ、今日までの研究により、現在いくつかの説が浮かび上がってきています。
1つめは、ネガティブフィードバックによる、テストステロンの生成量減少から起こる?という説です。フィナステリドは、5aリダクターゼという酵素の働きを阻害することで、体内にある男性ホルモンのテストステロンが、AGAの原因となるジヒドロテストステロンに変換されるのを抑制する薬です。
フィナステリドを投与すると、テストステロンは変換されないため一時的に体内濃度が上昇します。すると体内恒常性を保つために、体はテストステロンの生成を抑制するようになります(ネガティブフィードバック)。この状態が続くと、テストステロン生成に関わる脳の命令伝達機能や器官(睾丸など)が衰え、薬の投与がなくなっても、テストステロンの体内生成量が元に戻らないことから、副作用が続くのではないか?というのが説の概要です。
しかし、この説に関しては疑問が残ります。なぜなら、同じような作用機序をもつ別の薬では、このような症状が起こっていないからです。例えば、前立腺がんや前立腺肥大症を治療する「アンドロゲン受容拮抗薬」は、テストステロンを受容体と結合させない働きがあるため、フィナステリドと同様、服薬中はテストステロンの体内濃度が上昇します。するとネガティブフィードバックにより、投薬中止後に同じような症状が現れてもおかしくないはずなのですが、そのような症例報告はありません。
2つめは、うつなどの精神障害が残るのは、神経ステロイドの生成量減少が原因?とする説です。
フィナステリドを投与すると、ジヒドロテストステロンの産生が減少するため、代謝物として一緒につくられる神経ステロイド「アンドロステンジオール」の生成も減少します。また、他の神経ステロイド「アロプレグナノロン」や「テトラヒドロデオキシコルチコステロン」の生成も減少します。神経ステロイドには精神を安定させる効果があり、量が減ることで気力の減退や抑うつ症状が出ることがあることが知られています。投与中止後も、神経ステロイドの生産量が増えずに精神障害が続くのではないか、というのです。
そして3つめは、患者さんの精神的な要因が症状の原因になっている?とする説です。
2019年に発表されたスイスの皮膚科・毛髪疾患センターの医師らによる論文(※2)によると、フィナステリドの副作用の可能性について通知を受けた患者さんの間で、重要なノセボ効果(反偽薬効果/成分を含まない薬であるのに、フィナステリドを服用したような副作用や有害作用が現れること)が認められたこと、また、元からメンタルヘルス障害や抑うつ症状を抱えている方はポストフィナステリドシンドローム(PFS)のリスクが高くなる傾向があること、そして「ポストフィナステリドシンドローム(PFS)は体調に不調が現れるタイプの妄想性障害である可能性が高い」ことを述べています。これは言い換えれば、精神的要因が身体的症状を生み出しているかもしれない、ということです。
2や3の説の裏付けにはさらなる研究が待たれますが、ポストフィナステリドシンドローム(PFS)が精神的要因と結びついている可能性は、決して少なくないように思われます。
フィナステリドを予防で飲むのはアリ?リスクや副作用について解説
M字はげの方はAGAを発症していることが多いです。フィナステリドはAGAに効果が期待できる内服薬のため、M字はげにも効果的と考えられます。
AGAは発症してからではなく、若い頃からフィナステリドで予防する方が高い効果を得ることができます。 AGAの予防をしなかった場合
また、Ⅱ型5αリダクターゼに対するデュタステリドの薬理作用はフィナステリドの3倍、増毛効果はフィナステリドと比べて1.6倍とされています。
ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが毛根に作用して起こる薄毛をAGAと言います。ミノキシジルやフィナステリドの内服が最も効果的です。
ポストフィナステリドシンドローム(PFS)とは、「フィナステリド成分を含む男性型脱毛症(AGA)治療薬の内服によって起こった副作用が、服薬中止後もそのまま継続している」という状態の総称です。
フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、その発毛効果から、現在はAGAの治療薬としても使われています。投薬患者の98%に症状の改善(薄毛進行予防)が見られるという高い効果によって、世界中で最も多く使用されるようになりました。
フィナステリドの服用で、僅少ながら副作用の出る可能性があることは以前から知られています。日本で認可を受けている米国MSD社の長期投与による臨床試験では、48週間の服用で1.1%、96週間の服用で1.6%の被験対象者に、リビドー減退(性欲減退)、勃起機能不全(ED)、精液量減少などの副作用が発現したことが報告されました。また、頻度は不明ですが、肝機能障害、抑うつ症状、乳房圧痛・肥大などの副作用があったことも報告されています。
殆どの方が副作用を経験することなくフィナステリドでの治療を続けていますが、副作用が見られた場合、有効なのは投薬の中止です。フィナステリド成分が体から排出されてしまえば、症状は消失するからです。
しかし、2011年にアメリカ・ジョージワシントン大学の医師らの論文によって、「投薬中止後も、性機能の低下や、抑うつのような精神障害が持続している」という71名の症例が報告され(※1)、以降も症例報告が続いたことから、一躍問題視されるようになりました。
2012年には、アメリカで患者の治療支援などを行う、ポストフィナステリド症候群財団(PFS財団)が設立。また、日本でも厚生労働省の通達により、MSD社の「プロペシア錠」と、沢井製薬のジェネリック医薬品「フィナステリド錠」が、添付文書に「投与中止後も持続したとの報告がある」という一文を追加し、使用における注意喚起を促しています。
AGA治療薬 フィナステリドとデュタステリドの違い・半減期について
フィナステリドを服用しても抜け毛が減らないのは、そもそもフィナステリドが服用後すぐに効果を感じられる薬ではないからです。早々に効果なしと判断せず、まずは3ヶ月〜半年程度服用を続けてください。
治療または予防を目的とした薬です。医薬品は副作用がともなうため ..
デュタステリドはフィナステリドと類似の作用を持ちますが、フィナステリドがⅡ型5αリダクターゼのみに作用するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方のリダクターゼを阻害する働きを持ちます。
フィナステリドとは?AGAの原因の5αリダクターゼ「Ⅱ型」を抑制!
その効果と安全性で、多くの治療実績を積み重ねてきたAGA(男性型脱毛症)治療薬、フィナステリド(プロペシア)。しかし近年、「フィナステリドの服用をやめても、副作用が続く人がいる」という研究報告から、一連の症状が「ポストフィナステリドシンドローム(PFS)」として注目を集めるようになりました。これからAGA治療を考える方にとって、大きな不安の一つとなりそうなポストフィナステリドシンドローム(PFS)ですが、その原因は何なのでしょうか? フィナステリドによるAGA治療を安心して進めるための方法と合わせて考察を試みました。