睡眠の質向上. 日光を浴びるとセロトニンが増えると言いましたが、このセロトニンは夜になるとメラトニンという物質に変化します。


また、眠気をもよおすメラトニンというホルモンは、日中に光を浴びることで作られ、夜になって暗くなると分泌を始めます。


日光があると活性化するセロトニンと暗くなると活性化するメラトニン。正反対の性質を持っていますが、実は切っても切れない関係にあります。

光療法を行うとメラトニンの分泌が抑制され、夜暗くなると再び自然にメラトニンが分泌されて眠気を促します。

これまでに発表されている結果をいくつか紹介します。例えば、寝ている間に浴びる光の量が多い人ほど、うつ症状※1や糖尿病※2が多く、動脈硬化も進行している※3ことが分かりました。就寝時の光は睡眠障害、全身性炎症、肥満、脂質異常症とも関連がみられており、寝ている間に浴びる光の量が多い人ほどこうした病態が多いという結果が得られています※4。また、被験者を約2年間追跡したところ、夜寝ている間に光を多く浴びている人だけでなく、日中浴びる光の量が少ない人、夕方以降に光を多く浴びている人も、太る傾向にありました※5。このように、光を浴びる時間帯や量によって、異なる影響が表れているのです。

す。メラトニンの分泌は、一日のうち太陽光を目に取り込んでから 14 時間後に始まります。私たちは、

●「トリプトファン」が含まれた食材を食べる
「セロトニンの材料になる栄養素は『トリプトファン』といって、自分では作れません。外から摂取することが必要なので、トリプトファンが含まれた食材を積極的に摂るよう意識したいですね。トリプトファンが多く含まれる食材は、豆腐・納豆・味噌・醤油・がんもどきといった大豆製品。牛乳・バター・チーズ・ヨーグルトといった乳製品にも豊富に含まれています。またセロトニンを合成するためには炭水化物とビタミンB6も補助的に必要になります。ビタミンB6はナッツや青魚などに多く含まれています。偏食さえしなければ日常的に十分摂取できるので、バランスの良い食事を心がけましょう」

したがって、部屋を明るくしたまま寝てしまうと、メラトニンの分泌が抑えられて深い睡眠が得られなかったり、すぐに目が覚めてしまうなどの不調が出やすくなります。メラトニンの分泌は光に敏感に反応します。

私たちの脳には体内時計が存在しており、太陽光の明暗サイクルに同調するようにできています。これは、地球上で生きる多くの生物に共通です。

生物の進化に伴って、眠りも体を休ませる「休息」から、脳を休ませる「睡眠」へと進化している。昆虫などの無脊椎動物は眠っているというより、体を動かさないでただ休息している状態は見受けられる。魚類は大脳が小さく、脳波を測定できないので、定義上は眠っていると言えないが、ヒレを体にぴったりとつけてじっと動かずにいるなど特定の睡眠姿勢をとるものが多いことから、睡眠に近い状態と考えられる。爬虫類・両生類は脳波を測定できるが、活動期と休息期の脳波にほとんど変化がみられないことから、脳波のパターンによって睡眠を定義できないが、睡眠の原形の状態と考えられる。鳥類・哺乳類では脳の発達に伴い、脳波に明らかな変化がみられ、ノンレム睡眠とレム睡眠に分化し、真睡眠に分類される。鳥類はレム睡眠時に必ずしも急速眼球運動はみられず、レム睡眠時も目を閉じて眠らないこともある。多くの鳥はノンレム睡眠時に泳いだり、飛び続けたりといった単純な運動が可能である。
哺乳類で食物連鎖の最下位に位置するネズミは、身の安全を守るため昼間に眠り、夜間に活動する、といった多くの動物とは逆転した生活をしている。1日の総睡眠時間は13時間にのぼるが、まとまった睡眠はとらず、小刻みに眠る。食物連鎖の上位に位置する百獣の王ライオンは1日14~16時間、無防備な姿勢でまとまった睡眠をとる。アフリカゾウはその巨体から天敵は人間くらいしかいないのに、1日3~4時間くらいしか眠らない。ゾウは草食動物であり、その巨体を維持するために多くの草を食べ続けないといけないからである。同様に草食性のウシも1日3時間くらいしか眠らず、うとうとした状態で反芻することができる(表1)。

ところで、みなさんは夜ぐっすり眠れていますか?冒頭でもお話しした通り、実はセロトニンは「睡眠」とも深い関係があるのです!

有田先生いわく、その秘密の鍵を握るのは、夜ぐっすり眠るために必要な物質「メラトニン」。別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、このメラトニンが多いと寝付きもよく、ぐっすり眠れるのです。メラトニンは脳内の松果体という部分から分泌されるホルモンで、覚醒を睡眠に切り替えて、自然な睡眠を促してくれます。起床してから14時間〜以降の日暮れ頃から分泌され始め、たくさん作られるほど睡眠の質が良くなることがわかっています。ちなみに、メラトニンはアンチエイジングとも密接な関わりがあり、元気で若々しくいるためにも欠かせないホルモンなんですよ。

そして、このメラトニンを分泌するための材料となるのがセロトニンです。朝起きてから分泌され始めるセロトニンは、陽が沈むと昼間作られたセロトニンを材料にメラトニンを分泌し始めるのです。つまり、快眠のためには、セロトニンを日中たくさん作っておくことが重要なのです!

そのためには、やはり朝どう過ごすかが重要になってきます。「朝遅く起きると、その分セロトニンを作る時間が十分ではないため、当然夜のメラトニン量も減ってしまいます」と指摘する有田先生。太陽とともに起きて、夜は早く布団に入り、8時間前後は眠る…。現代人にとってなかなか難しいとは思いますが、人間本来の生活こそが心身ともに元気に過ごす秘訣だということが分かりました。


「寝付きが悪い」「熟睡できない」という睡眠の悩みを抱えている方は、もしかすると“セロトニン不足”になる生活を送っているのかもしれません。今回ご紹介した、セロトニン活性化を促す方法を取り入れて、できるところから生活&睡眠改善していきましょう!

昼間の太陽光は青系の光を多く含んでいるので少し白っぽく見え、夕

光療法では、朝、太陽光またはを使用して2500 ルクス以上の光をことにより、体内時計をリセットしメリハリのある生体リズムをつくります。

これに対し、ヒトは今でこそ夜にも活動できるが、人間は本来、昼行性の動物である。夜には目も良く見えず、えさも取れず、収穫もできないので、その期間に体を休め、睡眠に充てていたという生物学的背景があるのであろう。


私たちが眠気を催すのは、脳の中心にある松果体(しょうかたい)から分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の作用によるものです。 ..

そのため体内時計がずれて生体リズムに異常をきたし、が多く見られます。光療法では太陽に代わって人間の生体リズムを整える働きをします。

また、太陽光を浴びるとミトコンドリアを刺激し、エネルギーが出て

医学的には、光療法は、概日リズム睡眠障害や冬季うつ病(季節性感情障害)などに特に効果があるとされています。また、生活リズムを正常に戻す目的で、光療法をうつ病に適用する場合もあるようです。

元気になったり、メラトニンというホルモンが増加するため夜によく眠

「太陽の光を浴びることが大切」と聞いたことがあるかもしれません。私たちが日常的に浴びている光は、体内時計を調節し、朝目が覚めて夜になると眠くなるというリズムをつくるために大切なものです。

太陽光に近い照明とは? 用途や住まいに取り入れるメリットを紹介!

人の生体リズムは多くの動物と同じように生物時計によって駆動され、約25時間の周期(概日リズム)で活動と休息のリズム信号を出しているが、地球の自転により24時間周期で変化する外部環境とは約1時間のズレが生じる。生物時計はこのズレを修正し、概日リズムを24時間の環境変化に同調させる機能も持つ。通常、起床直後に太陽光が目から入ると、その光信号は視交差上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)、上頚神経節を経由して、松果体にたどり着く。すると、食事で摂取して血液中にあるトリプトファンというアミノ酸が分解されてセロトニンが産生され、メラトニンがつくられる。このとき、N-acetyltransferaseという酵素が活性化されてはじめてメラトニンが生合成されるのであるが、N-acetyltransferaseは光があると活性が抑えられ、この代謝が行われないようになっている。したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。
こうして生物時計によってリセットされた時刻から10~12時間は代謝が高められ、血圧・体温も高めに保持され、覚醒して活動するのに適した状態になる。これが朝の光を浴びてから13時間くらい経過すると、松果体からメラトニンの分泌が始まり、手足の末端からの放熱も盛んになる。こうした放熱により深部体温が低下してくると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現する。つまり、太陽光に対する生物時計のリセット機能により、朝起床して太陽光を最初に浴びた時刻に応じて夜に眠気が出現し、自然に眠くなる時刻が決定されるのである。朝の起床時に充分な太陽光を浴びなかったり、暗い部屋で昼過ぎまで眠っていると、こうした概日リズムのリセットが適切に行われず、その日の入眠時刻が遅くなる。一方、夕方から夜の時間帯に強い光を浴びると、昼の時間が延長することになり、休息への準備が遅れ、結果的に入眠時刻が遅れることになる。

太古より人間は朝太陽の光で目覚め、夜暗くなると眠るという生活を続けてきました ..

なぜ光の浴び方がこれだけさまざまな病態に影響するのでしょうか。光は目から入り、目の奥にある網膜を通ります。網膜には光の刺激を受容する細胞があり、この刺激が、脳にある「視交叉上核(しこうさじょうかく:SCN)」に到達します。SCNは、人間の体内時計の中枢(中枢時計)に当たる部分で、ホルモンなどの分泌を介して、各臓器の体内時計(末梢時計)も調整しています。体内時計には、光だけでなく食事や運動も影響を与えますが、目から入る光の影響が圧倒的に大きくなっています。夜遅い時間に光を浴びると体内時計が後ろにずれて夜型になり、朝早い時間に光を浴びると前にずれて朝型になることも分かっています※6

日ざしと心の健康 ~太陽の光でポジティブに~ | 気象病を防ぐ方法

』 空気が乾燥して気温も低い冬、快適に寝付けなかったり、朝スッキリ起きられず布団からなかなか出られなかったり、寝不足で疲れが取れないという方も多いのではないでしょうか。そもそも、日本人の睡眠時間は世界的に見ても短いことが特徴です。2019年のOECDの調査¹⁾によると、日本人の睡眠時間は7時間22分であり、先進国の中で最も短いと報告されていますが、実際はこれより睡眠時間が短い方も多いかもしれません。

明るい寝室で眠ると太りやすい⁉光と健康の関係 | サワイ健康推進課

光は、睡眠や目覚めに影響を及ぼすだけではありません。肥満やうつ症状、動脈硬化など、光がより広く健康に影響を与えることを示す研究結果が出ています。光と健康の関係についてこれまでの研究で分かっていることや、健康的な光の浴び方について、奈良県立医科大学 疫学・予防医学講座 特任准教授の大林賢史先生に伺いました。

そのため、寝る前にはメラトニン分泌を抑える光の調節が必要です。 ..

東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床、筑波大学基礎医学系で脳神経の基礎研究に従事。東邦大学医学部統合生理学で座禅とセロトニン神経・前頭前野について研究。2009年に日本初となるメンタルヘルスケアをマネジメントする「」を開設し、セロトニン研究の第一人者として、執筆、講演、メディア出演などで幅広く活躍中。

メンタル面の安定には、朝日とリズム運動でセロトニンの分泌を促進

概日リズム睡眠障害には、夜勤や時差の大きい地域への飛行などによる外因性の急性症候群(交代勤務と時差症候型)と、生物時計あるいはその同調機構の障害によって睡眠スケジュールを望ましい時間帯に合わせることが困難な内因性の慢性症候群(睡眠相後退型、事由継続型、睡眠相前進方、不規則睡眠覚醒型)がある。

第2条 日光を浴びる | BRAIN SLEEP OFFICIAL SITE

もともとヒトは昼行性の哺乳類であり、日の出とともに起床して、日中活動し、日が沈むと休息をとるという生活が生物としての本来の姿である。ヒトの生体リズムは24時間より長い周期を持っているが、脳にある生物時計がこの周期を外界の24時間の環境変化に同調させる働きをしている。外界の24時間の環境変化とは、主に昼夜の明暗環境の変化で、目から入った光信号は生物時計へ伝達され、昼間の明るい環境および夜間の暗い環境が正常な睡眠・覚醒リズムを保つ上で必須の条件となっている。
ところがこの1世紀の間に、電気が使われ始め、現代人は夜遅くまで強い照明を浴び、また交代勤務や時差勤務体制の増加に伴い、夜に活動して昼間に眠るなど自然の昼夜とは異なった明暗サイクルで生活する機会も増えた。このようなライフスタイルの変化が生物時計(Biological Clock)の機能不全の引き金となり、生体リズム障害を引き起こす。代表的な病気がいわゆる「概日リズム睡眠障害(Circadian Rhythm Sleep Disorders)」である。

眠り、リズムと健康② | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

ヒトの体には、ふだん時間などを意識しなくても、朝に目覚め、日中は脳も体も活発に活動し、夜になると体が休息を求め眠りにつくというような、自然に備わっているリズムがあります。このようなおおよそ24時間で繰り返されるリズムを「概日リズム(日周リズムあるいはサーカディアンリズムともいう)」といいます。
ヒトの体には概日リズム(睡眠と覚醒、体温や血圧・脈拍の日内変動、ホルモンの分泌など)のほかに、90分周期のリズム(レム睡眠とノンレム睡眠など)、30日周期のリズム(月経、皮膚の新陳代謝など)、1年周期のリズムなど、一定の周期を刻むさまざまなリズム(生体リズム)があります。体内で日々繰り返し行われるさまざまな生体リズムの活動は、生命を維持していくためのたいへん重要なシステムといえます。
これらの生体リズムを調整する役割を担っているのが「体内時計」です。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。