黄疸をきたした早期梅毒性肝炎に高用量アモキシシリン(AMPC)と
梅毒に効く抗生物質(抗菌薬)は限られており、症状の進行具合により用いる薬の種類も異なります。
注意点や入手方法についても触れていますので、今後の梅毒治療にお役立てください。
した梅毒患者を対象に、高用量アモキシシリンとプロベネシドの併用治療が高い治療成
また、2021年1月には、梅毒の世界的な標準治療薬である「持続性ペニシリン筋注製剤」の国内での販売が認められました。
サワシリン(アモキシシリン)は長らく梅毒の標準治療とされ、神経梅毒以外の梅毒に効果を発揮します。
ペニシリン系抗生物質アモキシシリン。性感染症(梅毒、淋病など)、扁桃腺・気管支炎・中耳炎など。
また、妊娠中に梅毒の感染が確認された場合、アセチルスピラマイシンの内服による治療が可能ですが、子宮収縮が誘発されて流産や早産となる可能性があります。
アメリカCDC(アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインでは、ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤(筋肉内注射薬)が推奨されているものの、日本ではショック死が発生したため梅毒治療として行われていません。
アモキシシリンは, 1回500mgを1日3回で28日間として投与する1)。わが国 ..
販売が始まったばかりではあるものの、世界各国で70年以上の使用実績があることから、すでに日本でも梅毒の第一選択薬に位置付けられています。
長い間、日本での梅毒治療は内服薬が標準薬とされてきており、特に販売から間もないステルイズの治療経験を持つ医師は少ない状況です。
梅毒 | ガイドライン(鑑別・症状・診断基準・治療方針) | HOKUTO
いずれも日常生活に支障をきたす状態になるため、内服薬や注射剤ではなく、血管に直接薬剤を注入し、すぐに効き目が期待できる点滴薬が投与されます。
治療薬の耐性とは、抗生物質を使い続けると細菌が薬に対する抵抗力を持ち、薬が効かなくなることです。
また、「ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症」においては、アモキシシリン水和物としての承認用量は通常1回250mg(力価)である。 18
梅毒は, 代表的な性感染症(STI)の1つであり, 妊娠中および出産中に母親から児に感染する可能性がある。梅毒の母子感染は先天梅毒を引き起こし, 流産, 死産, 新生児死亡, 早産, 低出生体重, さまざまな先天異常および罹患率などの深刻な結果を引き起こす。世界保健機関(WHO)の推定では, 2016年には世界中で988,000人の活動的な梅毒の妊婦と611,000人の先天梅毒症例が報告されている1)。また, 梅毒は死産の感染原因の第2位を示している2)。
合成ペニシリン(サワシリン・アモキシシリン)を第1期では2~4週間、第2期では4 ..
注射用ベンザチンペニシリンG筋注(単回投与)は, WHOガイドライン3)および米国疾病管理予防センター(CDC)ガイドライン4)で推奨されている先天梅毒の予防のための母体梅毒治療の唯一のレジメンであり, 現時点で代替レジメンを推奨するのに十分な証拠はない。母体梅毒の代替治療に関する系統的レビューでは, 注射用ベンザチンペニシリンG筋注以外のレジメンで治療された21人の梅毒妊婦が特定されている5)。エリスロマイシンとアジスロマイシンは胎盤関門を通過しないため, 胎児の治療はできない5)。さらに, Treponema pallidumに対するマクロライド耐性が多くの国から報告されている6)。薬理学的にも添付文書上もテトラサイクリンとドキシサイクリンは妊娠第2期と第3期では禁忌である。また, 母体梅毒の治療と先天梅毒の予防目的でセフトリアキソンを推奨するにはデータが不十分である4,7)。日本では, 2020年1月現在, 注射用ベンザチンペニシリンGが使用できないことから, アモキシシリンやアンピシリンなどの経口ペニシリン薬が妊婦梅毒の治療に用いられてきた。妊婦梅毒治療と先天梅毒予防においてこれらのレジメンの有効性は報告されていないが, 高用量アモキシシリン(6g/日)とプロベネシド(1g/日), 14日間投与で治療に成功した妊婦の報告は存在する8)。アモキシシリンやアンピシリンによる治療レジメンは, 日本性感染症学会の「性感染症 診断・治療ガイドライン2016」9), 「日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の産婦人科診療ガイドライン-婦人科外来編2017-」10)にも記載されている。これらのガイドラインでは, 梅毒治療は, 経口アモキシシリンまたはアンピシリン1,500mg(1日3回500mgの投与)連日投与を第一選択とし, 第1期は2~4週間, 第2期では4~8週間, 第3期以降では8~12週間を必要とすると記載されている。また, 無症候梅毒では, カルジオリピンを抗原とする検査で抗体価が16倍以上を示す症例は治療することが望ましいと記載がある。投与期間は, 感染時期を推定し, その期の梅毒に準じるが感染後1年以上経過している場合や, 感染時期の不明な場合には, 8~12週間とすることも記載されている9,10)。
アモキシシリン水和物の小児感染症に対する最大投与量の変更については、「第8回 ..
感染機会があり, 典型的な所見が認められ, 梅毒抗体検査の値との組み合わせにより梅毒と診断することで, 治療を開始する。ただし, 典型的な所見を認めない場合も少なからずあることから, 所見自体を認めない無症候例であっても, 問診と梅毒抗体検査などの結果を総合的に判断して治療を開始する場合もある。臨床所見と検査結果に乖離がある場合には, 梅毒抗体検査を2~4週間後に再検することも1つの選択肢である。
内服薬の第一選択として治療に用いられるのが、合成ペニシリン製剤の「サワシリン(アモキシシリン)」です。 ..
わが国では, 梅毒治療の第1選択は, ベンジルペニシリンベンザチンとアモキシシリンである1-3)。いずれの薬剤も梅毒に有効であるが, 多数例での比較試験はない。ベンジルペニシリンベンザチンは, 早期梅毒には1回240万単位を筋注, 後期梅毒には週に1回240万単位を計3回の筋注として投与する1,2)。有効性を評価する比較試験はないものの, 長く使われてきており, その高い有効性は臨床現場で経験的に認識されている。ベンジルペニシリンベンザチンに特異的な副反応ではないが, 筋肉注射の薬剤で稀に認められる副反応4)については知識として知っておいて良いだろう。アモキシシリンは, 1回500mgを1日3回で28日間として投与する1)。わが国から, 1日1,500mg3)と1日3,000mg5)投与での有効性を評価した報告があり, いずれも有効性は高い。梅毒診療においては, 後述するように, 治療効果判定を治療後の梅毒抗体検査で確認することから, 4週間の投与期間であっても再診できる患者であれば問題ない。ペニシリンアレルギーの場合には, わが国の保険診療に鑑みてミノサイクリンを投与する1)。ミノサイクリンの効果はベンジルペニシリンベンザチンと同等との報告6)がある。
用量は成人量を記す。 アレルギーなど特別な理由がない限り,第一選択
日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン-産科外来編2017-」11)には, ①妊娠初期に病原菌であるT. pallidumと交叉抗原性を有する脂質, カルジオリピンを抗原とする非特異的検査(STS: serological test for syphilis)と, T. pallidumそのものを抗原とする特異的検査(TPHA法, FTA-ABS法のうち1法)を組み合わせてスクリーニングを行う, ②妊婦で感染があったと判断された症例では, 病期分類を行い, 治療不要と考えられる陳旧性梅毒と明らかに診断される例や治療歴がありSTS法抗体価8倍以下かつ特異的検査法陽性例以外は速やかにペニシリンを中心とした抗菌薬投与を行う, ③抗菌薬治療を行った妊婦では妊娠28~32週と分娩時にSTS法を行い, 治療効果を判定する, ④抗菌薬治療を行った妊婦では妊娠中期に超音波検査を行い, 胎児肝腫大, 胎児腹水, 胎児水腫, 胎盤の肥厚の有無を確認することが示されている。
一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。 ..
西島, 川名らは, 経口アモキシシリンまたはアンピシリンによる妊婦梅毒の治療に関して全国的な多施設後ろ向き研究を実施し, 活動性妊婦梅毒80人のうち, 21%が先天梅毒をきたしたことを報告している12)。妊婦梅毒早期26例では, 先天梅毒症例率は0%で, 妊婦梅毒後期45例では, 先天梅毒症例率は33%であった。少なくとも出産の60日前に治療を開始した57人の妊婦梅毒患者のうち, 先天梅毒発生率は14%であった。この研究により, 経口アモキシシリンまたはアンピシリンは, 妊婦梅毒後期では先天梅毒発生を予防するのに効果的ではなかったが, 妊婦梅毒早期では先天梅毒発生をある程度予防できた可能性があることが明らかになった。これらのことから, 先天梅毒予防のために, 日本でも注射用ベンザチンペニシリンG筋注(単回)の早期の臨床再導入が強く望まれる。
梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周 ..
特に、梅毒感染のリスクが高いMSM(男性同性愛者)やトランスジェンダーに対して高い効果が示されており、重要な予防手段として注目されています。
なお,感染診断及び除菌判定の詳細については,各種ガイドライン等をご参照ください。 13-044A アモキシシリン.
梅毒の治療時に注意しなければならないのはペニシリン投与によるJarisch-Herxheimer反応であり, 治療後24時間以内に頭痛, 筋肉痛, 発熱等の症状が生じる。治療により, 菌量の多い早期にT. pallidumの菌体が破壊されることによると考えられる。女性に起こりやすいとされているが, もちろん, 男性でも発現する。梅毒と診断がついていればペニシリンが投与されるが, 梅毒の診断がされていない状態で, 他の疾患を想定して, 例えば, セファロスポリン系抗菌薬が投与されていたとしても生じ得る。一般的には, 症状は自然軽快するが, 妊婦にベンジルペニシリンベンザチンを投与する場合には, このJarisch-Herxheimer反応により胎児機能不全や早産の危険性があることから, 入院観察での投与をすべきとの考えもある。
プロベネシドを使用することでペニシリンが排泄されにくくなるため、病原菌に対抗しやすくなります。 ..
なお、風邪などで処方された抗生物質が余っていたとしても、梅毒の治療薬として代用することはできません。