通常、成人にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mgを1日
例えば、アレルギーに使用する『アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)』には、12歳以上用の60mgと、12歳未満用の30mgの錠剤が存在します。
これは、安全な量や効果を発揮する量を厳密に調べていった結果、子どもの量が大人の量の半分である、という結果が出たからです。たまたま「子どもの量が大人の量の半分」になっているだけです。
花粉症患者が間違えている薬の使い方!8割の人は1種類だけではダメ
こういった薬は、そもそも子どもに使用できない成分なので、大人と同じ症状であっても、例え半分に割ったとしても、4分の1に割ったとしても、子どもに飲ませることはできません。
で解説した通り、有効成分がゆっくりと溶け出す制御システムが施されている「徐放錠」の場合、半分に割るとこの徐放性が失われてしまい、血中濃度が急激に上昇する、あるいは必要な血中濃度を短時間しか維持できない、といった事態を招くことになります。
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ところが、薬の中には「割線のついた徐放錠」というものも存在します。「割線」があれば“半分に割っても良い錠剤”と判断できるはずですが、「徐放錠」であれば分割は避ける必要があります。
ごく軽症であれば、市販薬でも症状を抑えられます。抗ヒスタミン薬成分であるエピナスチン塩酸塩は「アレジオン」、フェキソフェナジン塩酸塩は「アレグラ」という商品名で、医療機関で処方されていましたが、医療用から一般用に切り替わりました。つまり、薬局・ドラッグストアでも購入できるようになりました。
アレグラというお薬をご存じだと思いますが、アレグラは抗ヒスタミン薬 ..
割線が入っている薬はいろいろあるのですが、患者さんが自分で器具を使わずに割るときれいに半分に割れない薬も多くあります。ザイザルは0.5錠や1.5錠など、症状に合わせて調整することができるように、患者さんが自分で器具を使わなくても、できるだけきれいに半分に割れるように製剤設計してあります。
ザイザルも「レボセチリジン」の名称で各社からジェネリックが発売されていますが、ジェネリック製剤が割線できれいに割れるように製剤設計しているかどうかはわかりません。こちらも「武田テバ」のレボセチリジン(ザイザルのジェネリック)は、ザイザルの製造工場と同じ工場で同じように製造しているAG(オーサライズドジェネリック)なので、製剤品質はオリジナルのザイザルと全く一緒ですから、半分にきれいに割ることができます。
[PDF] フェキソフェナジン塩酸塩錠 60mg「トーワ」の 安定性に関する資料
さて、フェキソフェナジンの吸収量はグレープフルーツジュースで飲むことにより半分程度にまで減少することが報告されています。困ったことに、リンゴジュースやオレンジジュースでも同様です。フェキソフェナジンの吸収がジュースに含まれるバイオフラボノイド、フラノクマリン類、メトキシフラボン類などによって阻害されることに因ります。フェキソフェナジンは、水で飲むのが無難です。