薬疹(重症) - 皮膚科Q&A どんな病気?治療法は?専門家が皆さんの疑問にお答えします。


通常は薬剤を中止することで薬疹は改善しますが、特殊なタイプの薬疹は早期から治療を行わないと命にかかわる場合や後遺症を残すことも。さまざまなタイプの薬疹についてこれから順に説明してみます。


オーグメンチン(アモキシシリン水和物/クラブラン酸カリウム) – 呼吸器治療薬 ..

ADL自立した40歳女性。2日前からの排尿時痛,尿意切迫感,頻尿でER受診。発熱なく,尿検査で白血球+,細菌+。尿グラム染色でグラム陰性桿菌の貪食像あり。患者はサワシリン®(アモキシシリン)でじんま疹がでたという。

薬疹の原因薬は、抗菌薬や解熱鎮痛剤などが多く、これらの薬は私たちにとって身近な薬です。私たち誰もが小さな傷が化膿して抗菌薬を使用した、熱や痛みがあって解熱鎮痛剤を使用した、などの経験があると思います。

言い換えると、薬疹はいつ誰が発症してもおかしくない、ということに。皮膚科医は、どんな発疹をみても薬疹の可能性を必ず頭の片隅に置いて診療をするように教わります。

薬剤ごとに好発病型がありますが、薬剤や個体側の反応性によりあらゆる皮疹のパターンをとり得るのが薬疹です。

アモキシシリンは、特定の性感染症 (STI) の治療のために経口で服用する抗生物質です。 ..

薬疹を起こしても、多くの場合は原因となった薬剤の摂取を止めることにより、薬剤の成分あるいはその代謝産物が体外から排出され、自然に症状は軽快します。

ところが、一部の薬疹では非常に強いアレルギー反応を起こして命にかかわる事態になるものや、ウイルスの再活性化を引き起こし薬剤中止後も症状が悪化したり、遷延するものも。重症薬疹と呼ばれるこれらの疾患については、別に項目を設けて説明します。

セファロスポリン系薬でのアレルギー歴がある患者では、側鎖の異なるセファロスポリン系薬を考慮する。側鎖の異なるセファロスポリン系薬の皮膚試験陰性は、安全に使用できる指標となる。慎重に判断するなら、これに続きチャレンジテストを行うことが望ましい。しかしながら、明確なアナフィラキシーショックや重症薬疹のような重篤な薬剤過敏症の既往がある場合には、すべてのβラクタム系薬を避け、他系統の薬剤の選択を考慮する。

アモキシシリンでの薬疹と考え、中止しモンテルカストのみ継続してもらいました。

なんらかの外来性物質(食物、薬剤、微生物など)または体内物質に誘発されて生じる発疹を中毒疹と呼びます。中毒疹は薬疹のほか、ウイルス、細菌、食物、その他原因による急性の発疹の総称です。

ただし、反応性の皮疹であってもなるべく原因物質を特定し、原因に応じた診断名をつけるべきという考えが主流です。

現在では使われることが減っている用語ですが、実際の臨床において原因のはっきりしない発疹はとても多く、中毒疹という呼称を使うこともあります。

薬疹は、体内に入った薬剤の成分、あるいはその代謝産物が、アレルギー性または非アレルギー性機序で皮膚に障害を起こすことで発症。

抗菌剤について以前アモキシシリンを処方され薬疹と思われるものがで ..

アレルギー型薬疹では、薬剤の成分やその代謝産物が抗原(アレルゲン)となり、免疫システムが活性化され症状が出現。ふつう薬疹というと、このアレルギー性薬疹をさします。

薬剤に対して反応する細胞(Tリンパ球)や抗体ができることを感作といい、アレルギー型薬疹はこの感作が成立した人にのみ発症。また、いったん感作が成立すると生涯消失しないと言われています。

ADL自立した30歳男性。1日前からの発熱,咽頭痛でER受診。診察で39度の発熱,扁桃腫脹,頚部リンパ節腫脹あり。溶連菌迅速テストも陽性。患者は以前にかぜで受診したとき,サワシリン®(アモキシシリン)で全身の発疹が出たという。


急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)は、スティーブンス・ジョンソン症候群、

<Ⅰ型アレルギーの薬疹>
じんましん型とも呼ばれ、薬剤を摂取して数分~1時間以内に発疹があらわれます。ただし、アレルギーなので感作が成立していないと症状は起きず、初回投与時にはこのタイプの薬疹は通常起こりません。

よくあるパターンは、それまでにその薬剤を投与されたことがあり、その時に本人も気づかないうちに感作が成立し、再度同じ薬を投与されたときにアレルギー反応を起こす、というもの。このタイプの薬疹は抗菌薬などでよくみられます。

中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群と並ぶ重症型の薬疹である。高熱

<Ⅱ型アレルギーの薬疹>
薬剤に対する抗体が産生され、それに細胞障害性T細胞や補体(B細胞によって産生される)が作用することにより、細胞がダメージをうけます。このⅡ型アレルギーの薬疹の代表的なものが、糖尿病で使用されるDPP-4阻害薬による類天疱瘡。

類天疱瘡型の薬疹は、皮膚の細胞同士を接着させているたんぱく質が細胞障害性T細胞や補体に攻撃され、皮膚同士の接着が弱くなります。さらに、水疱ができ皮膚がはがれて『びらん』に。

DPP-4阻害薬自体は、日本人の糖尿病患者さんにはとてもよい薬剤ですが、このような特徴的な薬疹を起こすことがあり、投与の際には注意するよう言われています。

[PDF] アモキシシリン(AMPC)投与後 の発疹に関する前方視的調査

<Ⅲ型アレルギーの薬疹>
薬剤に抗体がくっつくことにより抗原抗体複合体(免疫複合体とも)が作られ、この抗原抗体複合体が血管などに沈着し、そこで免疫反応を起こして細胞が障害されます。

このタイプの薬疹は、血管炎が発症しやすいとされ、代表的な薬剤にPTU(プロピルチオウラシル:Propylthiouracil)という甲状腺疾患の治療薬やミノサイクリンという抗菌薬があります。

[PDF] 浜松市内科医会 AAS 通報 20 抗菌薬投与中の小児の発疹

現病歴 10日前に右下の奥歯,歯肉が痛み,頸部リンパ節の腫脹がみられた。5日前に歯科医院でアモキシシリン(パセトシン®,以下AMPC)を処方された。当日夜より内服を開始し,翌日全身の倦怠感が出現した。内服3日目に前腕,足背に紅斑が出現し,全身に拡大したため内服を中止した。皮疹出現から3日目に当科を受診した。全経過を通じて発熱はない。

ピロリ菌除菌薬による薬疹 (武蔵小杉病院 安齋眞一 荻田あずさ)

ペニシリンアレルギー患者へのアプローチII:致死的な薬疹か?
今までに,Stevens-Johnson症候群,Toxic epidermal necrolysis(TEN)といった粘膜病変を伴う薬疹――つまり熱傷様薬疹や入院加療が必要な薬疹といった病歴があれば,その薬物の再投与は決して行ってはいけません。

[PDF] 梅毒に対するアモキシシリン 1,500mg 内服治療の臨床的効果

主な重症薬疹では、原因となる薬剤、発生機序、発生時期、症状などが異なるため、それぞれの鑑別が重要となってくる。抗菌薬による重症薬疹は、他の薬剤によるものと比べて早期に発症することがある。

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また、ペニシリンアレルギーの申告があった患者となかった患者で統計学的な差はなかったが、申告がなかった患者のほうがカルバペネム系抗菌薬による薬剤過敏症が多かった報告17)があり、ペニシリンアレルギー歴はカルバペネム系抗菌薬による過敏症の推測にはあまり有用でないことが示唆される。しかしながら、このような報告がペニシリンアレルギーと申告された患者へのカルバペネム系薬の使用増に影響してしまうことも懸念される。実際、グラム陰性菌の血流感染において、カルバペネム系抗菌薬が使用される頻度が高いことが報告されている17)

塩酸バカンピシリンによる固定薬疹の1例 (臨床皮膚科 51巻12号)

代替抗菌薬は臓器と起因菌を想定して選択する。
例)
誤嚥性肺炎:クリンダマイシン、グラム陽性菌用抗菌薬+メトロニダゾール
尿路感染症:ST合剤、フルオロキノロン、アミノグリコシド
皮膚軟部組織感染症:ST合剤、クリンダマイシン、塩酸バンコマイシン
腹腔内感染症:フルオロキノロン+メトロニダゾール

【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬

薬疹では、さまざまなタイプの皮膚炎が出現するため、まとめて述べるのは難しいのですが、薬疹を起こしやすい薬剤と、薬剤ごとに起こりやすい皮膚炎の種類がいくつかあるので、表にしてみました。

さらに、薬疹の中でも特に多いものについては、いくつか個別に紹介。

Stevens-Johnson症候群, TEN, DIHS/DRESS→投与回避



そして驚くべきことに、このデータブックは福田皮ふ科クリニックの福田英三先生というひとりの先生によって作られました(現在はご子息である福田英嗣先生も編集に携わっておられます)。

薬疹の診療には欠かせないものであり、日本中の皮膚科医がそのデータブックを参考に診療しています。私たち皮膚科医は福田先生には感謝してもしきれない、といつもデータブックを手にするたびに思っているのです。

※本製品は疾病の診断・治療・予防を目的としたプログラムではありません。

抗ペニシリン血清学的診断(IgE)によるin vitro検査は臨床症状との相関性が低く、診断には無効とされている23)。I型アレルギーでは皮膚試験や特異的IgE検査(RAST)、IV型アレルギーではパッチテストなどが診断に使用される。

【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)

米国では約10%の患者がペニシリンアレルギーと申告しており、高齢者や入院患者でその頻度が高まる。そのうち約の患者では安全に投与することができると報告されている26)。過剰なペニシリンアレルギー診断は、高価で不適切な抗菌薬使用を助長する27)。また、入院期間の延長やC. difficile、MRSA、VRE感染症のリスクも高まることが報告されている28)

当科における Helicobacter pylori 除菌療法による薬疹の検討

また、アレルギー歴の申告は抗菌薬の選択に影響を与える。MSSA菌血症ではペニシリンアレルギーの申告は生存率に影響しなかったが、多くのアレルギーとされる患者はセファゾリンの治療を受け、バンコマイシンが選択された群での死亡率の上昇がみられたため、適切なセファゾリンの選択が有効であると報告されている29)